2017年12月
■担当■ 大倉 友 (サンドブラスト教室講師)

12月の日記を担当するサンドブラスト教室指導員の大倉です。 今回は、黒被せ(黒が厚くかかっている)ゴブレットに、ボンドだけのマスキングでブラストしてみます。
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@使用するゴブレットです。 | A全体をブラストしてツヤ 消しにします。 | Bボンドでマスキング。 |
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C文様の上部にブラスト、さらに、下部にブラスト。 そして、テープでブラストした部分を保護します。 |
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D龍のイメージスケッチ。 | Eボンドで直接龍を描く。 ボンドで色をつけているの は乾くと透明になるので、 判別しにくくなるのを防ぐ ためです。 | F龍本体の濃淡をつけるために 2度目のボンド付けをします。 |
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G龍の周りをブラストして、半分黒を残してます。タイトルは『封じ込められた龍』です。 受講生作品展に出しますので、よかったら見てください。 |
2016年12月
■担当■ 大倉 友 (サンドブラスト教室講師)

今回は身近なもので作品を制作してみます。 空き瓶で照明用のシェードなんていかがでしょうか? 幾つかビンを集めてみて、オリーブオイルの透明なボトルがに気に入りました。 それだけじゃ面白みに欠けそうで、グラスを繋いでみることにしました。
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それぞれの底をカットして研磨をかけます。
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ところが、グラスの方はカットし終わる寸前で、「ポン」という音と同時に粉々に、、、、強化ガラスだったのです。
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強化ガラスは、かつては車のフロントガラスに使用されていましたが、こんなに粉々では前が見えませんね。 今ではラミネートガラスが使用されています。 強化ガラスはサンドブスト等の強い力のかかる作業が必要なものには向きません。 カフェなどでは形だけではなく強化ガラスがよく使われているいるのは、丈夫だからでしょう。 そこで、調べてみました。 フランス製のデュラレックスやトルコ製のパラックスは、やはり強化・耐熱ガラスでした。 そういうことで、代わりに量販店で手に入るグラスを使用しました。(それは、偶然、内被せガラスでした。) グラスは内側に、ボトルは外側にマスキングしてカットします。 グラスの内側のマスキングカットは、少々厄介です。底の方はカットしたテープを貼り付けます。 ボトルの上部は凸凹なので黒く着色したボンドでマスキングしました。
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それぞれの文様は上部と下部は陰陽が反転するようにします。 ボトルの深く彫りたい部分とグラスの色をとりたい部分を先にブラストします。 バックはグラデーションになるようにブラストします。
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ガラス用接着剤でボトルとグラスをジョイントし、接着部やすそ部に装飾を施します。
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PPAPの完成!、、、、じゃなかった。 BGLS?!(ボトル+グラス=ランプシェード)の完成です。
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2016年2月
■担当■ 春名 美芽 (トールペイント教室講師)

こんにちは。トールペイント教室講師の、春名美芽です。 トールペイント教室とは、家具や雑貨に絵付けをして楽しむフォークアート(西洋民芸・伝統工芸)の教室です。 カリキュラムで基本的な技法を学んだあと、好きなデザインを自由に描いていくのですが、 同じデザインでも、使う色によって、雰囲気の全く異なるものができあがります。 生徒さん個々の好みが表れて、興味深いです。
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今は、マトリョーシカを制作しています。マトリョーシカはおなじみのロシアの民芸品です。 鮮やかな色の伝統衣装を着た女性の人形が入れ子式になって、胴体のところで分割されると、 また中から、小さい人形がでてくることを繰り返す、何とも可愛らしく、ユニークなものですが、 実は日本のこけしや姫だるまがそのルーツだとか。
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材料の白木人形は、ロシアから、はるばるやってきました。菩提樹の木を轆轤とかんなでくりぬき、 水につけたり乾燥させたりしながら、上下ぴったり合うように製作されています。
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教室では、皆が思い思いのマトリョーシカのデザインを考え、鉛筆で下絵を書き、色を塗り、絵を描いています。 5体1セットですので、だんだん小さくなっていく人形を持つのも、一苦労です。
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今年の12月、夙川のカフェでマトリョーシカの作品展をします。 併せて、セーターや帽子、ミトン、ブーツのカットアウトの飾りに絵付けしたもので壁面を飾ります。
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まだ、今年は、始まったばかりですが、ゆっくりゆっくりクリスマスの準備をしながら、 一年を過ごしたいと思っています。
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2016年1月
■担当■ 小野 純子 (七宝クラフト教室講師)

新年明けましておめでとうございます! 今年も、新しい年の始まりに指導員日記を書かせて頂く事になりました。 昨年11月「七宝クラフト」講座では第4回目の受講生作品展を開催致しました。 今回は、東心斎橋のギャラリー「キャナル長堀」に場所を変えて会場もかなり広くなりました。
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場所も長堀通りに面していて「東急ハンズ」の斜め向かい。そして1階(鰻谷通り側にも入り口があります)と言う立地の便利な良いギャラリーです。 思えば、第1回展2009年、私の「鋳金教室」の作品展の片隅に間借りする様な形でささやかに始まった受講生作品展。 あれから6年、そして回も4回目を迎えこの様な広いギャラリーを作品で埋められる様になった事を搬入の時にとても感慨深く、嬉しく思いました。 今回ももちろん受講生さんの自主運営という形を採りました。 開講以来続けて下さっている受講生さんから、まだ入会して1年に満たない受講生さんまで多種多様な作品を並べる事が、出来ました。
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又展示内容について、従来の講座だけでなく年に1回開催する「ワークショップ」の大切さを実感致しました。 「七宝」でこんな事が出来るの? こんな表現法があるの? とひと味違った作品も並べられ中々充実した展示になっていると思います。 額装が中心ですが、ワークショップで体験した「鋳金」のジュエリーや鋳金と七宝を組み合わせた額装等も展示出来て壁面、展示台スペース共に華やかに並べられたのではないかと思います。 また昨年は夏の「七宝作家協会」の公募展に講座から3名の応募者が有り、全員入選と言う素晴らしい実績がありました。入り口の目立つ所に素晴らしい作品を並べる事が出来て大変「充実感」がありました。壁面に「平面作品部門」入選額装が1点、「装身具部門」入選鋳金ジュエリーが2点でとても華やかでした。頑張って努力された力作には良い場所を・・・が私の展示の時の基本です。
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そして今回は、ギャラリーが広いので何かイベントをしたいと思って考えましたのが「七宝」体験のワークショップです。 何と言っても初めての試みでしたので準備段階から色々と試行錯誤をしながら、案内状にはどうお知らせすれば良いのか? 時間は? デザインは? 予約は? と結構大変でした。 今回、形は「キーホルダー」1点に統一して下地だけはあらかじめ焼成しておきました。デザインや色は、体験される方に自由に楽しんで頂こうと思いましたので沢山の色の釉薬を揃えました。 (これはクラフトパークの教室の備品釉薬を使わせて頂き、とても協力して頂いた事を受講生一同感謝しております。) 展示会初日には、受講生さん達にデザイン画を提出して頂いたり、銀線課題終了の受講生さん達の中から担当のお当番を2名体制で決めて頂いたり、何とか形を整える事が出来ました。 始まれば「ワークショップ」は原則として私は「ノータッチ」。 一応制作の手順や注意点など「マニュアル」をお渡しして受講生さん達に全てお任せ致しました。 ワークショップにご参加いただいた方の完成作品の中から、少しだけご紹介させていただきます。
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後日、担当の受講生さん達にアンケートを取りました。 一番多かったのは「教える事がとても楽しいと感じた」 また「次回も是非やりたい」という声でした。 受講生さん達の声 ・教える事で自分も改めて学べる事が出来てとても貴重な体験だった。 ・これからの自分の作品作りにも役立つと感じた。 ・出来上がったのが嬉しくて喜ばれたとき,一緒に嬉しいと感じて担当して良かったと思った。 ・体験の方に楽しかったと言われて,七宝の楽しさを再発見した。 ・デザインのアドバイスをする時に、もう少しデザインの勉強もしなければと感じました。 ・展示だけでなく「参加型」のイベントになって賑やかで会場も盛り上がって良かった。 ・準備段階をもう少しお手伝いすれば良かった。 ・ワークショップはとても良い企画だった。 等でした。 今回手探りで始めた展示会場での「ワークショップ」 おおむね好評で,幸いな事に沢山の心配事は、杞憂に終わったと思います。 皆さんが初めての体験をされる人達に丁寧に説明して作品が出来上がっていくのを見ながら・・・ 講座を始めて10年目、ここまで沢山の受講生さん達が育って下さった事をしみじみと「誇り」に思います。 次回も体制が整えば又企画したいと思っています。 そして会場での打ち上げパーティ!
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皆さんが頑張って下さった「ワークショップ」の収益で大変豪華なご馳走が沢山並びました。受講生の皆さんへの感謝とお礼の気持ちを込めて、楽しい手作りのパーティでした。 又2年後,出来れば楽しい作品展を開催出来ます様、皆さん頑張りましょう! そして展示方法に余り悩まなくて済みます様に,受講生の皆様には「大作」作品を 切に希望・期待しております。
2015年12月
■担当■ 大倉 友 (サンドブラスト教室講師)

皆さん今日は。一年はあっと言う間に来てしまいますね。 12月担当のサンドブラスト講師の大倉です。 さて、今回は、ブラスト技法の「ボカシ」という方法を紹介させていただきます。 被せガラス(クリアガラスの上に色が付いている二層以上のガラス素材)の境界線をくっきりさせずにグラデーション(ボカシ)で表現します。 (色の付いていないクリアガラスでもこのボカシは可能です) 多層の被せガラス(三層以上のガラス素材)なら色違いのグラデーションも表現できます。
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写真ではうまく写っていませんが、ステンドグラスにブラスト(ボカシ)と面取り加工を取り入れた作品です。 |
ブラストをかけた被せ板ガラスをシンプルなステンドグラスにするワークショップが出来たら良いなと思っています。
2015年3月
■担当■ 安田 公子 (切子ガラス教室講師)

みなさんこんにちは。はじめまして! 2月から自由創作教室、切子ガラスの講師となりました、安田公子と申します。 まだ1か月が過ぎたところで初めは慣れないこともありましたが、職員の方や指導員の先生方、受講生の方々にもサポートをいただきながら教室を進めることができ、すっかりなじんだ(?)つもりでいます。 さっそく、この指導員日記を担当する機会をいただきましたので、この場をおかりして自己紹介・作品紹介をさせていただこうと思います! 出身は大阪府大阪市、生粋の大阪人です。 大阪の生野区にあるガラス工房で切子に出会って11年、そのうち8年は職人として商品を作ることと、教室の指導をしつつ切子に携わっています。 おそらくほかの多くの作家の先生方と同様に、仕事をしながら自分の時間を見つけて作品づくりをし、ギャラリーに出品させていただいたり、公募展にも挑戦しています。 少し作品の画像を掲載させていただきますね。
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盃です。これは削りの深さを加減して、削って色がなくなる部分と、削っても色が残る部分を作り、カットの断面に濃淡が出るようにしています。
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これはタンブラーです。 透明なところにも、もともと色がついていて、削って透明にしています。 ちなみに、素材のガラスは表面部分が色ガラスで、内側が透明になっています。このような素材は、被せるガラス、と書いて「被せガラス=キセガラス」といいます。 表面の色の部分を削ることで凹凸と色の有る無しが生まれ、それが模様になります。
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こちらも盃です。伝統的な“菊つなぎ”という文様を全面に配しています。 削りに強弱をつけ、下から上に行くにしたがって色が徐々に抜けていくように、柔らかな表情が出るように工夫したものです。 切子というと、なんだか細かくて難しそう、というようなイメージを持たれがちですが、ここでご紹介したような柄だけでなく、大胆な曲線を描いたりすることもあります。 教室ではそれぞれのペースや習熟度に合わせ、柔軟に指導していきたいと考えています。 少しでも多くの方に切子を知ってもらって、作る楽しさを感じていただけると嬉しいです。 今後ともどうぞ宜しくお願いいたします! 来月からは、来年度第1期の教室が開講します。 受講の申し込みの期限はすぎているのですが、定員に若干名の空きがあり、追加募集をしています。 開催日時:月曜日 午前10:00 〜 12:30 午後14:00〜16:30 (全10回) (1) 4月13日 (2) 4月20日 (3) 4月27日 (4) 5月11日 (5) 5月18日 (6) 5月25日 (7) 6月 1日 (8) 6月 8日 (9) 6月15日 (10) 6月22日 クラフトパークホームページからのWEB申込も可能です。 詳しくは 、こちらをごらんください。 お申込みをお待ちしています。
2015年2月
■担当■ 三好 加寿代 (トールペイント教室講師)

2014.12.16〜25、夙川の「world times」にて、作品展を行いました。 クラフトパークからは、10人の方が出品して頂きました。 汽車にそれぞれの絵を描いて、繋いで壁面を走らせたり、子供の頃に良く読んだ絵本をBook型の小物入れに描いたりと、夢あふれる作品展となりました。 定例の受講生作品展とは、少し違ったカフェという場所でお茶を飲みながらゆっくり座って作品を眺めるという試みも、新鮮で好評でした。
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第1期(4月開講)トールペイント教室の受講生を募集しています。 トールペイントとは、木の素材に絵の具で絵を描き、色鮮やかに仕上げることができるアートです。初心者の方も、絵が苦手な方も下絵があるので安心して描くことができます。 開催日時:金曜日 10:00 〜 12:30 (全6回) (1) 4月17日 (2) 5月8日 (3) 5月22日 (4) 6月5日 (5) 6月19日 (6) 7月3日 クラフトパークホームページからのWEB申込も可能です。お申込みを心よりお待ちいたしております。 詳しくは 、こちら
2015年1月
■担当■ 小野 純子 (七宝クラフト教室講師)

2015年新年明けましておめでとうございます。 今年も皆様の創作意欲が益々充実した1年になります様に、また素晴らしい作品がこのパークから沢山産まれます様に・・・ 今年は「七宝クラフト」講座の2年に1度の受講生作品展が11月大阪市中央区東心斎橋の「キャナル長堀」で開催予定です。 新年から受講生の皆様には張り切って制作に励んで頂きたいと思います。 また3月には私事ですが,大阪市中央区の「御堂筋ギャラリー」で七宝作品の個展を開催します。 今年は「城」をテーマに無線七宝技法で小品の額装を出品する予定でございます。
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さて今年第1回目の指導員日記です。 七宝クラフト講座を担当させて頂いて早9年目になります。 第1期から継続して受講して頂いている方々もおられ、年々作品の質が高くなって来ている事をとても嬉しく思っています。 そんな中、ここ数年「七宝」が変わりつつある様に思います。 2〜3年くらい前から七宝作品をジュエリーやクラフトの公募展で見かける様になりました。それもこれまでの様に少し色を使いたい、色を見せたいと言う様な作品の1部やアクセントとしての七宝ではなく七宝技法をメインに活かされた作品が数点,目に留まりました。 2014年の「日本ジュエリーデザイナー協会」の2年に1度の公募展の特別賞や「under26」部門作品。 (under26というのは26歳以下の学生や若い人を対象とした部門) 伊丹市立工芸センター主催の、2014年伊丹国際クラフト展での「酒器/酒盃台」の公募展では銀の土台に「プリカジュール技法」で七宝を施した酒器が「大賞」に選ばれました。 また当然の事ながら昨年の「日本七宝作家協会」の年に1度の第48回公募展「装身具部門」では彫金や鋳金技法とコラボした作品が多数見られました。 残念ながら、ここで作品の写真をお見せする事は出来ませんが、興味のある方はぜひ各協会のホームページや図録をご覧頂ければと思います。 この兆しは最近美術系、芸術系の大学や専門学校で「七宝」がカリキュラムとして取り入れられている事が大きい理由だと思います。 その作品群は、若い人達の従来の七宝技法にとらわれない自由な発想,自由な色使いそして造形の美しさが際立っています。 きちんとした技術に裏打ちされた作品を見ているとこれまで長い間ジュエリーとして「七宝」が取り上げて来られなかった事が本当に不思議な気が致します。彫金、鋳金や鍛金など色々な技法、素材と「七宝」を組み合わせて柔らかい発想で制作された作品は造形的にもとても素晴らしいものがあります。 最近これまでの釉薬ではなく新しく開発された釉薬?で作品を制作されているのを良く見かけます。七宝の表面に水で溶いた絵の具の様な釉薬(と言えるかどうか?)を筆で描いてまるで水彩画か油彩の様な表現を。また線描きが可能な釉薬?を使って繊細さを表現した作品。公募展にも沢山出品されて来ている七宝と思えない様な作品に比べて本当の七宝の良さを追求した作品はとても頼もしい気が致します。 この様な傾向の今、これから公募展に出品する七宝作品は平面では額装で済みますが,装身具になるとどうしても彫金や金工の最低限の技法が必要になって来ます。 今年の「七宝クラフト」講座のワークショップに彫金の枠作りを提案してみようと思っています。 制作した作品の枠を金属で制作出来れば作品のレベルは一気に上がります。更に他の素材や金属と組み合わせるデザインが出来れば作品の奥行きはもっと広がります。今後受講生の皆様にはいつかぜひ「七宝作家」として幅広い活躍の場を持って頂きたいと願っています。 今秋の受講生作品展、頑張りましょう!!
2014年11月
■担当■ 大倉 友 (サンドブラスト教室講師)

皆さん初めまして。12月の日記を担当することになりましたサンドブラスト教室講師の大倉です。 急に寒くなってきましたが、お風邪などひかれないようにして、楽しいクリスマスや新年を迎えましょう。 さて、サンドブラストはガラス工芸の中ではとてもシンプルで始めやすい技法だと思います。 ご存じない方に説明させていただくと、 @ デザインを決める A 彫りたいガラスにテープを貼る B デザインを写してテープをカットし、削りたい部分をめくる C ブラスト(砂を吹きつけ削る) これで完成します。簡単でしょう!
平彫り | 段彫り | |
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段彫り 内と外彫り | ||
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シンプルな作品から、勿論、手間をかければ複雑なデザインもできます。是非一度ご参加ください。 作品としては、食器(コップ・皿・鉢)や花瓶などが目に浮かぶかもしれませんが、今回は、生徒の皆さんの可愛いペンダントを紹介させていただきます。
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自分のデザインが形になるのは楽しいものです。 Let's try ! 頭のいろんな分野を刺激してワクワクしましょう!
2013年12月
■担当■ 小野純子(七宝クラフト教室講師)

今年も慌ただしい季節になりました。
今年は10月の自由創作教室「七宝クラフト講座」受講生作品展に向けて年明けから何となくバタバタした年でしたので余計に1年、アッという間に過ぎた様に思います。
今回の指導員日記、折角ですから10月に大阪市中央区「御堂筋ギャラリー」で開催されました受講生作品展について書きたいと思います。
3回目を迎え、今回始めて受講生さん達の「自主運営」という形を試みました。
午前と午後のクラスから2人づつお世話役さんを選んで頂き何かと準備をして頂きました。
会費の徴収や会場お当番等、私は今回は大船に乗らせて頂いた気分でのんびり!余りのんびりし過ぎて会期間際になって会場の看板、1人1人のキャプション作りと大いに慌てふためいた事でした。おかげ様で搬入、搬出、会場当番、お客様のお接待と皆さんのご協力のお陰でスムーズに運びました。
受講生の皆様、またお世話役を引き受けて下さった方々、本当に有難うございました。
今回の「指導員日記」は普段余り聞けない受講生の皆様の「声」をアンケート形式でとらせて頂きましたのでそのご紹介とさせて頂きます。また私から一言コメントも付けています。作品写真と共にお楽しみ下さい。(お名前50音順掲載)
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「地蔵大仏」 新垣 上半身の衣のグラデーションがお気に入りでアピールしたい所です。色の配色、メリハリを付けるのに苦労しました。もう少しメリハリ、色の濃淡を付ければ良かったかと反省しています。 コメント
とても細かい銀線を頑張って制作され、いつも慎重に釉薬を重ねています。もう少し色見本等を活用して大胆に釉薬を乗せていければ衣も光背も、もっと鮮やかに華やかになるのではないでしょうか? |
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「OPIUM」 有定 明代 「黒色釉薬線描き課題」ペンで描くのとは随分違うと感じました。銅板を切るのも大変でまた釉薬の赤い色を出すのに苦労しました。作品展で他の方の作品を見て釉薬を乳鉢で細かくする意味が良く判りました。 コメント
まだ受講して日も浅いのに、課題一つ一つ、完成度の高い作品に仕上げていると思います。ビーズをはじめ色んな物作りをされているせいでしょうね。釉薬は絵の具の様にまですると却って施釉しにくくなったり色によっては濁ったりしますから、気を付けて下さい。 |
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「紅テングタケ」 和泉 みさ テングタケの傘の部分の「朱赤」が印象的な作品に。銀のテングタケの方は七宝講座の「ワークショップ」鋳金技法で制作しました。始めてのワックス原型制作でしたが楽しかったです。 コメント
いつも楽しい作品作り。毒々しいのが作りたいと言いながら何故か可愛くなっていくのがおかしく楽しいですね。 |
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「夏の向こう側」 大野 啓子 山をテーマに・・・ 剣岳は、遠くから眺めれば岩の固まり「岩の宝庫」とよばれ、近くでみれば夏でも雪渓が残る。そんな剣岳の他の山とは違う素晴らしさ!をどのように表現しようか悩みました。 コメント
いつも山の風景や街角、独特の色使いでとても素晴らしいと思います。これからどんな風に作品が進化していくのか楽しみにしています。山小屋はもう少し屋根の形を丁寧にきちんと作って頂ければ良かったですね。 |
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「おでかけしたいニャー」 小川 利子 実用的なペンダントトップを作りました。同じデザインで技法をそれぞれ変えて制作しましたのでそれぞれ個性的な表情の猫が出来ました。展示に5つ揃えて並べると小さいながらも迫力が出て達成感がありました。 コメント
小さな作品を沢山作られて根気のいるお仕事でした。色んな技法を取り入れてさすが1期生!ワンパターンにならずに良くまとまっていました。 |
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「ALWAYS」 織谷 さとみ いつも主人と二人変わらず仲良くありたいと・・・気持ちを込めて制作にあたりました。銅板の成形、釉薬のグラデーションに苦慮しましたが先生の指導により自分の想像よりもステキな作品になり嬉しく思っています。 コメント
いつもほのぼのと温かい優しい作品になっていますね。「作品に性格が現れる」と言われる典型のような方だと思っています。 |
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「夢想う時」 川田 栄子 最終課題の作品。約1年半程かかりそれなりに大変でしたけれど、少しづつ釉薬を乗せて色が出てくると凄くワクワクして楽しかったです。七宝の透明感が好きなので色にはこだわりが・・・濁った色にならない様これからも頑張ってさらに楽しい作品を作りたい。 コメント
水彩画を描かれるとお聞きして、成る程と思っています。七宝で「絵」を!そんな作品・・・色使いがとても素敵です。七宝の可能性をもっともっと引き出して下さい。 |
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「花あやめ」 谷崎 ゑみ子 「黒色釉薬線描き課題」の作品。黒色の線の太さをもう少し考えて再チャレンジしたいです。 コメント
まだ受講されて日も浅いのにいつも意欲的な作品作りに感服しています。線描きも少し慣れて来ればもう少し繊細な花の雰囲気も出せるかもしれません。頑張って下さい! |
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「蟹のお散歩」 佃 周防子 秋にいろんな色に変わる葉の色を七宝で表現しようと挑戦しました。葉だけでは少し物足りなく、絵本で見た小蟹が可愛くて紅葉の上に載せました。蟹を別パーツで作り最後に電気炉で焼き付けて立体感を表現しています。 コメント
小さな蟹のパーツ、特に足の形を頑張って作りました。中々の力作になりました。良い意味でのこだわり!を大切にして下さい。次の最終課題、今から楽しみにしています。 |
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「酉」干支シリーズ 中西 敬子 鶏冠、くちばし、目と先生のアドバイスによる色で全体が引き締まりました。足も別パーツで制作したので表情が出て良かったです。 コメント
課題の中から色んな技法で作られる干支のシリーズ、とても楽しみですね。12支が揃ったらとても圧巻!制作に一貫してぶれない心をお持ちで作品も統一感があり素敵です。 |
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「空に舞う」 中山 昌久 作品を平面から立体的に表現。少し台座と浮かす事でライトに当たると蝶の影が綺麗に映し出されて躍動感にあふれた作品になりました。取り付け方法を随分考えました。 コメント
ライトを当てるまでは何げない作品でしたがライトの光で勢い良く蝶が舞い始めた作品!会場でひと際光っていた作品でした。 |
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「秋の実り」 S.N 未完のまま出品したので残念でした。次回は完成した作品を・・・ コメント
最終課題の大作、時間もかかりますが根気よく頑張って下さって敬服します。次回、完成作品を見せて頂くのを楽しみにしています。 |
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「豊穣の森」 福田 美由紀 最終課題、私には集大成の作品で頑張りました。豊穣の紅い実を釉薬を盛り上げて焼成するのが大変でした。 コメント
最終課題、中々の大作に仕上がりました。教室で見ていて、途中で挫折されるのではないかと心配した事もありましたが最後の方はとても楽しそうで、そんな心配は無用だったと感じました。また次回作に向けての意欲的なデザインを期待しています。 |
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「カモミール」 古谷 恵 作品展の直前に急いで仕上げた作品です。そんな手間のかかった作品ではないのですが、額装でとてもすっきりとした仕上がりになりました。作品だけでなく額や下地の布(色)等よく考えて選ぶ事が大切だと思いました。 コメント
作品に対して額装の仕方は衣装を着せる以上に大切!作品の見え方がとても違う事、変わって見えてしまう事を感じて頂けて大変嬉しく思います。てんとう虫も可愛く出来ました。現在制作中の大作も後一歩! |
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「ゆり」 古谷 壽子 数えきれない程の焼成回数に波打ったり丸くなったり型直しが大変でしたけれど色も綺麗に出て楽しみました。 コメント
百合は細かい細部にも神経を使われてとても素晴らしい綺麗な作品でした。があの額に取り付けた事によって綺麗からとても「お洒落!」な百合に変身したと思います。額装によって作品が一気に変わると言うとても嬉しい例になりました。 |
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「青い鳥」 松岡 泰子 青い鳥が空を飛んで幸せを運んで来てくれるイメージで制作しました。空に描いた雲を淡く柔らかい感じに表現するのが大変でした。釉薬の施釉の仕方、釉薬の焼成加減、電気炉から出すタイミング、とても勉強なりました。 コメント
シンプルですが、さくさくと仕上げる雰囲気は長いキャリアを感じさせてさすがです。印象的な作品に仕上がりました。最終課題、かなりの力作になりそうですが頑張って下さい。楽しみにしています。 |
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「はる」 松田 千衣子 デッサンと色鉛筆での塗り絵、七宝釉薬の色合い、釉薬施釉の仕方、グラデーションの表現法、色見本を作成しながら試行錯誤を重ねて生まれたチューリップ達です。 コメント
長い七宝制作経験、まだまだ技術を磨こうと励まれる姿に私も見習わなければと思います。これからも丁寧なお仕事を心掛けて益々の作品作りを期待しています。 |
以上です。
今回は皆様のコメントにもあります様に、額装も大きなポイントになりました。少しづつこだわって下さる様になった事はとても嬉しい事でした。
搬出の後、打ち上げパーティに材料屋さんご協力のもと賞品を提供していただき「ビンゴ大会」も楽しく無事終了しました。
またこれから2年後に向けてもう教室は始動!!しています。
今度はどんな作品を見せて頂けるのか、楽しみにしています。
皆さん、頑張りましょう!!!
2012年9月
■担当■ 小野 純子(七宝クラフト教室講師)

2012年、今年2回目の指導員日記です。
猛暑の夏、いかがお過ごしでしたでしょうか?
秋風が恋しい季節になりました。
さて前回5月の日記でお知らせいたしましたワークショップ「作品の表現方法〜ロストワックス技法〜」。
今回はその経過報告と完成しました作品の一部をご覧いただきます。
6月の第1日目「具象デザインの無線七宝」という課題で制作した「七宝」に合わせて鋳金部分のデザインを考えました。
七宝は主に平面なのに対して鋳金技法で制作するのは立体です。
普段あまり立体作品に慣れていない方にはイメージがもう一つ湧きにくかったのか、デザインも随分試行錯誤。
色々考えて来られた様でした。
組み合わせを考えて少し手直し、鋳金作品らしさを考慮しながら額の大きさ、レイアウト等を考えました。
次に鋳金部分のワックス成型を。
柔らかいシートワックスやスプール線を使ってデザイン通りに成型して行きます。
道具としてはワックス用のスパチュラをメインに丸い棒や綿棒等を使って思い通りの形にします。
始めはワックスの柔らかさに戸惑いながらの制作、でも少しずつ慣れてくると皆さん一生懸命に・・・
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現在「銀」の地金代が随分高値で取引されている事もあり、また 「鋳造代」もかかる事から皆さん始めはあまり大きな物や数は作りたくない様に考えていらっしゃったのですが、作り始めるとそんな考えはもう何処かに?夢中になって制作。
出来てみればパーツも含めると100点以上も出来上がりました。
1日目は、ワックス成型まで。皆さん無事にクリアされて鋳造が上がるのを待ちます。
7月の第2日目。鋳造が完成して銀になったパーツを研磨します。
ヤスリやリューターを使って綺麗に研磨します。
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皆さんおしゃべりも無く、集中!!
研磨出来たパーツに額装用の「足」をロー付けします。
1ミリの洋白線をパーツごとにロー付けして行きます。
ここからいよいよ「額装」仕上げに入ります。
額に合わせて台紙になる「貼るパネ」をカット。
作品に合わせた色の布を貼ってレイアウトを考えながらパーツを置いて行きます。
七宝部分は2液ボンドで接着します。
目打ち等であらかじめ小さな穴を開けてからパーツの足を差し込んで裏側で折り曲げます。
大きなパーツや安定感の悪いパーツには裏側に「水テープ」やボン ドでしっかり固定しておきます。
これでほぼ完成。
![]() 「蜻蛉(かげろう)の憩」 |
![]() 「あさがお」 |
![]() 「晩秋」 |
![]() 「希望」 |
![]() 「薔薇の贈り物」 |
[作品パーツのレイアウト]![]() |
皆さん本当に素敵な作品に仕上がりつつあります。
額装が間に合わなかったり、七宝部分が間に合わなかったりして完成作品を全てお見せ出来ないのがとても残念ですが…。又、来年1月9日(水)〜21日(月)にクラフトパーク1階展示室で開かれる「自由創作教室受講生作品展」に沢山の作品が並ぶ事と思います。どうぞお楽しみに・・・
今回のワークショップで、「七宝」作品の可能性も大きく広がったのではないかと思います。
色々な作品の表現方法を楽しみながらこれからも素敵な作品を制作 して欲しいと願っています。
2012年5月
■担当■ 小野 純子(七宝クラフト教室講師)

自由創作教室「七宝クラフト」教室の講師の小野純子です。
5月の指導員日記を担当させて頂きます。
七宝クラフト教室を初めて開講して6年あまり。開講当初から続けて下さっている方もあり、皆さん随分熱心で良い作品が沢山出来上がっています。
普通、七宝教室では既成の空枠(型押しで作られた銅板と少し飾りのついた枠がセットで販売されています)を使って作業する所が多いのです。
丸や四角、楕円形など決まった形の銅板に七宝を施し、少し飾りのついた空枠にはめ込んだら完成という所です。
けれどクラフトパークの講座では空枠は使いません。
空枠では決まった形しか出来ないのでデザインも制限させてしまいますし、想像力を働かせるには窮屈な素材、また創作の幅も限られて来ると私は思っています。
クラフトパークの講座では最初の色見本が終わったら、もう銅板を切る所からカリキュラムは始まります。銅板が薄い場合は金切りバサミ、厚いものは糸鋸で切ってデザインします。薄い銅板は強度の問題もあり、木のへら等で膨らみをつくります。何度も電気炉でなましながら(へらで成型すると銅板は硬くなって行くので電気炉で銅板の色が変わるくらいに軽く焼きます。その事をなますと言います。)膨らませます。この技法をマスターする最大の利点は、自分で好きな形をつくれるという事です。猫や花など、具象的な形も何でもつくれます。
この方法を活かす為のカリキュラムに「具象のデザイン」という技法があります。花白地に釉薬をホセと面相筆だけで絵を描く様に施釉します。何度も何度も少しづつ形をとって施釉して行きます。この時一番大事な事は、焼き過ぎない事です。せっかく綺麗に筆で形をとっても、焼成し過ぎると線がふやけてよれてしまいます。もちろん釉薬を細かく乳鉢で摺っておく事は必須です。
受講生の方々の作品を少し紹介します。
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最近この様に皆さんの作品を見ていて感じる事が、作品をもっと効果的に素敵な飾り方は出来ないだろうかという事です。空枠を使わないので、クラフトパークの講座ではアクセサリーとして身につける事を考えて制作している方は殆どいらっしゃいません。額にしたり香立てにしたり、あってもキーフォルダーくらいでしょうか。額やちょっとしたフレームを買って来てそこに貼付けて飾ると言う程度の事はしていますが、それではちょっと作品がもったいない。もっと何かの要素を加えて物語の様に楽しい表現をしたり、おしゃれな雰囲気の飾りに出来ないだろうかと考えます。
ちょっと気の利いたディスプレイでオブジェの様に飾れれば・・・ もっと楽しい!
「作品の表現方法」
絵画なら額縁、お花なら花瓶やかごなど。作品を引き立てるのに重要な役割を果たします。作品の見せ方、活かし方についてもっと表現方法を広げて行きたいと思います。もちろん布や革、粘土や紙と色んな素材を組み合わせても楽しいです。けれどもう少し発展させて「鋳金」と組み合わせてみる事を考えてみました。
「ロストワックス技法」柔らかいワックスを使って原型をつくり、金属に鋳造して七宝と組み合わせるのです。いくつか見本の作品をつくってみました。



可愛い七宝のカタツムリに鋳金でつくった葉っぱです。これだけでも何か微笑ましい場面を思い浮かべられそうです。


ちょっと抽象的な葉っぱと鋳金の葉っぱの組み合わせです。今回の背景は判りやすい様にベルベットの布にしましたが、色紙や自分で絵を描いてみたりとか。嬉しい事に今はパソコンで空の写真や森の写真などフリー素材がいつでも簡単にプリントする事が出来ます。その様な背景を探すのも楽しい作業です。
こんな楽しい飾り方を今年の七宝クラフト教室の「ワークショップ」で開催しようと考えています。七宝の透明感のある色彩と金属の組み合わせは、中々相性もよく組み合わせやすいと思います。七宝のデザインだけでなく、もっと他に付け加える要素を考える事はとても楽しい作業です。背景を「貼るパネ」などの上に布や紙を貼り素地の下に針金等を接着して刺して飾れば、後から又幾度でもつくり直す事も出来ます。こうして色んなアイデアで既成の概念ばかりでなく「七宝」の良さを楽しんで貰えたら嬉しく思います。
作品の表現方法をもっと色々出来る様になれば作品の完成度ももっと上がって行く事と思っています。次回の七宝クラフト教室受講生作品展に向けて、皆さんの手助けになれば嬉しいです。これからも日常の暮らしの中に飾って楽しむ、心が和むそんな作品つくりをしたいと思います。
2011年9月
■担当■ 小野純子(七宝クラフト教室講師)

自由創作教室「七宝クラフト」講座、講師の小野純子です。
今回初めて「指導員日記」を担当させて頂きます。
七宝講座は2006年10月より開講以来おかげ様で今秋6年目を迎えます。
今年、3月11日の「東日本大震災」以来はや5ヶ月がたとうとしています。
未だに避難所暮らしの方々が沢山いらっしゃる未曾有の災害に心が悼みます。
今秋10月「七宝クラフト講座」がクラフトパークを飛び出し大阪ミナミの画廊「御堂筋ギャラリー」で作品展を開きます。
昨年より決まっていたとはいえ、このような時期に華やかな作品展を開く事の意義をここしばらく考えてまいりました。
私達に何か出来る事は・・・
そこで考えついたのが「チャリティーバザー」
講座の受講生の皆さんには多彩な趣味や特技をお持ちの方が沢山いらっしゃいます。その事に思い至ったとき「手作り作品」を持ち寄ってみては・・・と。
会場の一角に「チャリティーバザーコーナー」を設け受講生の手作り作品を並べその収益の一部を「東日本大震災復興支援」として「日本赤十字」を通じて寄付する事に致しました。
今回は、皆さんの善意で集まった作品のコーナーも一緒にお楽しみ頂ければと思っています。
七宝作品とは又ひと味違った分野の作品も見て頂ける事と思います。
「七宝クラフト講座」作品展
2011.10.28(金)〜11.2(水)
午前11時より午後7時まで
(最終日午後5時まで)
「ギャラリー御堂筋」2階会場
大阪市中央区道頓堀2−2−2
TEL06-6211-7787
さて「七宝クラフトの講座」について。
5年前、講座をお引き受けしたのは、七宝の楽しさ、美しさを一人でも多くの方々に味わって頂きたいと考えたからです。
日本古来の技法が沢山あり また色彩の透明感が美しい「七宝」。
「七宝」という名前の通り「瑠璃(るり)」「瑪瑙(めのう)」「玻璃(はり)」「金」「銀」「赤珠(あかだま)」「しゃこ」の7つの宝をさすと言われています。(諸説色々ありますが・・・)
ガラス状の粒子に似た「釉薬」。
代表的な成分は硅石(けいせき)・酸化銅・硝石(しょうせき)・硼砂(ほうしゃ)など。それらを調合して色別に高温で固め粉砕する技法で作られています。
銅板や銀板の素地の上にそれらの釉薬を盛りつけて約700度から800度くらいの電気炉の中で焼成して仕上がります。
焼成して溶けてツルンとなったら出来上がり?そんな教室が多い中クラフトパークでは一日何度も受講生の方に「焼き過ぎないで・・・」と言います。
電気炉に入れて焼成すれば誰でもそれなり?の作品が出来上がると言う技法上現在では安易な技法が数多く伝わっている事はとても残念です。
釉薬は「ホセ」という細い竹串で盛っていきます。盛り上げた通りに焼けているのがベストです。マンダラに盛ればマンダラそのまま、厚みも一定にならなければ焼いても凸凹の様にそのまま焼成する事になります。
一般的に焼き過ぎの技法で成り立っている「噴釉(ふんゆう)」や「窯変(ようへん)」等の課題はクラフトパークでは取り入れていません。
(ちなみに「噴釉」も「窯変」も技法として立派に確立されて良い作品も沢山制作されていますので誤解のない様にお願い致します。)




ここで「カリキュラム」の一部と受講生の作品写真をご紹介します
・色見本
基本の色見本作り。まず釉薬を乳鉢で細かくすり何度も水洗いします。ここで上澄みを綺麗に流してしまう事で透明色はより透明感を増します。
花白地と銀箔地の2通りを制作します。
地味な作業ですが釉薬・施釉・焼成に慣れる最初の課題です。
ここから楽しく!長い?七宝の世界が始まります。
花白地色見本
銀箔地色見本
・銀箔張り技法
銅板素地に黒色釉薬を焼成します。その上に下絵通りに切った銀箔を張り3色くらいの釉薬でグラデーションの練習をします。


受講生作品写真
・釉薬線描き技法
この課題から銅板を丸形や楕円型ばかりでなく具象的な形も切り抜いて自分で制作します。木台や砂袋を使って膨らまし木べらで形を整えます。電気炉で軽くなます事で金属も扱いやすく柔らかくなります。へらで押さえて固くなれば又焼成なましを繰り返し思い通りの形に仕上げます。
こうする事により既製品の空枠を使わなくても多彩な形の表現が可能になり作品制作の巾が広がります。
そうして出来た銅板素地に銀箔を張り下地の白色透明色を盛らずに銀箔に直接黒色釉薬で下絵の通りにホセと筆で描いていき焼成します。下絵が複雑ならば何度かに分けて施釉、焼成を繰り返します。この時、焼成は絶対に焼き過ぎない事です。折角置いた黒色釉薬の線が焼成で流れてしまいます。
焼成の後銀張り白透明色を施釉、その上にグラデーションを施釉します。


受講生作品写真
・無線七宝
銅板素地の上に花白色を施釉します。その上に下絵通りに細かく擦った釉薬で絵を描いていきます。
ホセと筆でグラデーションを付けながらの細かい作業ですが無線七宝の修得、練習にはとても重要な課題だと思います。


受講生作品写真
・描き割り技法


受講生作品写真
・マーブル技法


受講生作品写真
・有線七宝
銀箔張りの素地の上に細い銀線を下絵通りに立てて透明色の釉薬でグラデーションを入れながら施釉、銀線の高さくらいまで何度も施釉して焼成します。この時釉薬は少しづつ一度に沢山盛らないのが透明感を出すポイントです。
施釉が終わったら、銀線が綺麗に出る様に研ぎ出します。
砥石やサンドペーパーで1000番くらいまで研いで最後に軽く焼成して出来上がりです。




簡単に技法の説明をしてみましたが、この他にも沢山の技法があります。
昨年2010年には銅板素地に腐蝕を施し七宝を焼き込む「エッチング」技法。また今年春にはワークショップで「透胎七宝」技法を勉強しました。
これからも課題にはない新しい技法も取り入れながら受講生の皆様に楽しんで頂ける様な「講座」であり続けたいと思っています。
何より 上達のコツはやはり沢山の作品を一つ一つ丁寧に仕上げる事だと思います。
限られた時間ではありますが、そこは集中力でカバーして頂いて皆様と楽しい時間を過ごせたら嬉しく思います。
今秋の作品展、ぜひ沢山の皆様のご来場受講生一同 お待ちしております。
私のホームページ「JEWEL-JUN のページ」にも この他の受講生の作品写真が沢山出ています。
是非ご覧下さいませ。
2011年8月
■担当■ 河田和美(サンドブラスト教室)

こんにちは。まだまだ暑さ厳しい毎日が続きますネ。みなさん元気ですか?
今回の日記は、指導員ではなくサンドブラスト教室の事務を担当している河田が担当させていただきます。
クラフトパークには吹きガラス・キルンワーク・バーナーワーク・ステンドグラス・陶芸・染色・織物・木工・金工の9つの工房で開講している創作教室と七宝クラフト・サンドブラスト・切子ガラス・トールペイントの4つの教室を専門の講師を招いて開講している自由創作教室があります。
今回の指導員日記では、自由創作教室の中から「サンドブラスト」をとりあげてみたいと思います。まず「サンドブラストってナニ??」と思われる方もいらっしゃると思いますので、その技法と工程について簡単にご説明させていただきますね。
砂(sand)を噴きつけて(blast)ガラスや金属を研磨する方法で、1870年代にアメリカで錆落しとして開発されたようです。最初は主に工業用だったのがが、その後工芸用としても用いられるようになり、数あるガラス技法のうちのひとつとして確立されました。砂の粒度、空気圧、砂を当てる角度、距離などによって彫刻具合が変わってきますので、立体感や遠近感などさまざまな表現が可能です。また色を重ねたガラス、透明のガラスなど様々なガラス生地にサンドブラストの技法を施すことで、色の変化も楽しめますよ。
ガラスの歴史は、古代メソポタミアの時代からですが(古代エジプト王朝時代説もあります)それに比べ、サンドブラストによるガラスへの彫刻が盛んに行われるようになったのは、比較的最近のことですよ。
ところで、ガラスエッチングいうものがありますが、これは本来、エミールガレやドーム兄弟が用いていた技法で、ガラスの表面を強力な酸で溶かしてデザインを作っていきます。現在は、このエッチング技法は酸が強力すぎて危険なため、あまり制作されていないようです。
前置きが長くなりましが、工程についてみていきましょう。

彫刻する硝子生地の汚れ・油分などをアルコールできれいにふき取ります。



3.デザイン画の作成です。


ガラス生地に転写したデザイン画を、カッターを使ってカッティングしていきます。デザイン画をカットする時の注意事項ですが、下記の絵のように曲線がある場合はカッターを持っている手を動かして切るのでなく、ガラス生地の方を廻しながら切った方がより切りやすいですよ。文字を入れる場合も同じです。

こちらがサンドブラスト機です。

それを利用して、段差を作ったり立体的に彫ったりして、デザインを彫り上げていくことができるんです。使う砂の粒子の選択によって荒々しい感じや繊細な感じなど表情に変化をつけることもできますよ。
ブラスト機で削り終わったら、マスキングテープをはずします。

表面のざらつきなどを研ぎ、より滑らかに光沢を出して仕上げていきます。

どうですか?サンドブラストの技法で、こんな素敵なお皿に大変身!!
「サンドブラスト」について、少しはおわかりいただけましたでしょうか??
早速、このサンドブラストに魅力を感じてくださった方に朗報です!
現在、クラフトパークでは「サンドブラスト教室」受講生募集を行っています。
(詳細はコチラ) 自由創作教室ページ
この「ガラスの彫刻」で、アクセサリーからインテリアまで、あなただけの素敵なオリジナル作品が制作できます。日々の暮らしに彩を添えるため、ご自分用としてはもちろん、大切な方への贈り物として、ガラスに想いを刻み、あなたの真心を伝えてみてはいかがでしょうか・・・
そんなあなたのご来館をクラフトパークは心よりお待ちしております。
《講師作品》








